「大丈夫です」は結構です

2025.08.07

私の辞書には「大丈夫です」がない。
使うのを頑なに拒み続けている。
「えっ、それで大丈夫なの?」という向きもあるだろう。
なくても私は困らないのだが、たまに相手を困らせている。

若い頃、献血をしていたら看護師さんに「ジュース飲みますか?」と勧められた。
「結構です」と答えたら、その場にいた人たち全員に「結構です、だって!」と大笑いされた。
どうやら20歳そこそこで「結構です」を言ったのが、不似合いでおかしかったらしい。
そういうものかな、と思ったが、ポイントは、私の意思はちゃんと伝わっていたということだ。

良い大人になった最近、「レジ袋、大丈夫ですか?」に「結構です」と答えているが、「…どっちですか?」と訊き返されることがある。
やんわりお断りの意を伝える「結構です」が、要るのか要らないのか解らないらしい。
「結構です」が似合う年齢になったのに、「結構です」が廃れつつあることに愕然とする。

「大丈夫です」は確かに汎用性の高い便利な言葉だが、どの意味なのかを相手の判断に委ねるリスクが大きい。
誤解が生まれやすいので、取り扱い注意だと思う。
大事なことを伝えるビジネスシーンでは、使わない方が安全だし、相手にもあまり使って欲しくない。

先日、ブリッジスタッフのひとりがお客さまにチャットで質問したら、答えが「大丈夫です」で頭を抱えていた。
YESなのかNOなのか分からず、だいぶ迷ったそうだ。
これには同情した。
日本語学習者に、こんな曖昧な難しい言い回しをするなんて…
もうちょっと配慮してくれても良いんじゃないの?と憤る私は、身内びいきが過ぎるだろうか。

総務の松田

 

日本語大丈夫ですが、まだまだ勉強中です。
https://dydworks.co.jp/staff/

戻る