中国語教室 その2

2025.06.10

日本語教室の生徒であるZさんに中国語を教わり始めて、2ヶ月。
驚くなかれ、教科書が1ページ目から進んでいない。
私が中国語に手をつけたと知った社内の中国語話者たちが話しかけてくれるのだが、何も答えられない。
もちろん「你好(ニーハオ)」くらいなら知っている。
しかし何度発音しても、Zさんの合格が出ない。
「センセイ、チガイマス」
首を横に振って「否」の意を表すのは、中国も日本も同じのようだ。
「センセイ、モウイチド」
Zさんの「你好」と、私の「你好」が違うことは何となく分かるが、どう近づけたら良いのか分からない。
にーはお。
にいはお。
にい、はお?
ちょっとずつ変えてみると、たまに当たる。
「センセイ、トキドキイイデス」
再現性が低く、思うように打率が上がらない。

拼音(ピンイン)という発音記号にも手を焼いている。
「センセイ、チュウゴクゴハムズカシイデス。アセラナイ」
繰り返し発声しながら、Zさんが横顔を見せたり、手を指揮者のように動かしたりと、私のために工夫してくれる。
Zさんの期待に応えたい、と力が入る。
「p」
「ぽ」
「p」
「ぽぅ」
Zさんが大げさに頬をふくらませ、下唇を突き出す。
必死に真似をする。
「p」
「ぷお」
「プッ、アハハハハ!」
私の顔が面白いことになっていたらしく、ついにZさんが吹き出した。
釣られて私も笑ってしまう。
笑い声は同じだ。

中国語の勉強をした後は、決まって顔が筋肉痛になる。
日本語はあまり顔の筋肉を動かさなくても話せるが、中国語は違う。
年々丸くなってゆく顔が、少しは痩せるかもしれない。

総務のソンティエン

 

ブリッジスタッフが如何に優秀か。
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