PMVVの作り方(DYDの場合)

2025.03.02

当社ホームページへのアクセスキーワードとして『PMVVとは』というものがあったので助兵衛根性を出して深堀りしてみます。

語句についての一般的な解説は他のネット記事で詳しく書かれていますのであくまでも当社流ということで・・・。

P:Purpose(社会的存在意義)
M:Mission(使命)
V:Vision(目標)
V:Value(行動指針)


1.はじめにミッションありき

はたらきたい全ての人がスタートラインに立つためのサポートを。
そして、キャリアップへの機会を提供する。

留学生スタッフィングサービスの源流となる客室清掃受託サービスを展開するにあたり、
外部のコンサルティング会社の方々などと言語化してきたのが、
『はたらきたい全ての人がスタートラインに立つためのサポートを』です。

日本に来たばかりの留学生がつまずくのがアルバイト探しです。

人手不足ニッポンとはいえ見ず知らずの留学生から応募があったとしても
日本人応募に対して劣後となる、また外国人材採用のノウハウがないため断られることも多々あります。

「中長期で安定して働いてもらいたい店舗」と「中長期で安定して働きたい留学生」
想いは同じでもマッチングは不成立となってしまいます。

そこにDYDがブリッジサポートとして入ることにより物事は前に進みます。

これはOSTAY GROUP総代表のジェリンが日本での留学生だったところに「心から欲しいと願ったサポート」の具現化に繋がりました。

また下の句の『そして、キャリアアップへの機会を提供する』は私が加えました。

日本は経済大国としての地位については失われた30年で地すべりを起こしつつあります。
ところがそんな日本でも政治・経済の安定性、安心安全な暮らしを営める国として多くの留学生が評価を将来的なキャリア形成までを考えるケースが増えてきているように感じています。

現状、ここに関してはサービスとしては提供できていないのですが、ゆくゆくは・・・という想いでミッションに加えています。

2.ビジョン再考

現在のトレンドではPMVVを掲げることとなっていますが、歴史的にはMission・Visionの2本立て方式がメジャーだったと記憶しています。

DYDでも次にVisionを打ち立てました。

『外国人材業界NO.1』

・・・・・・・。

いや、駄目じゃないけどふわっと感あり過ぎ!
ということで現在では、

「留学手続きの次はDYDへの登録」が当たり前のインフラ的存在になる。

としています。

きっかけはある日本語学校の先生からのご連絡でした。

「留学生が入学したらなるべく早くアルバイトができるように学生を登録して欲しい」

日本は経済大国としての地位については失われた30年で地すべりを起こしつつあります。※本日2回目
しかしながら国民1人当たりGDPや平均年収ではアジア諸国との間にまだまだ差があります。

一部富裕層を除き日本に留学をし、生活をしていくことは経済的な負担が多いのが実情です。

そのため、留学手続きとDYDへの登録がセットとなるような未来と作っていきたいと考えています。

3.最難関はパーパス作り

パーパスは日本人的には目的となりますが、社会的存在意義と捉えています。
つまりは企業のレーゾン・デートルです。

半径5mの国際体験を良きものにする。
(身の回りの国際体験を良いのものすることで相互理解を促進し、ひいては国際平和の維持に貢献する)

DYDはグループ全体でも日本人比率は10%程度で現在は中国人、ベトナム人、タイ人、日本人の混成チームで運営しています。
グループ全体としては多様性があり様々な考え方があろうかと思いますが、こと日本市場向けの日本法人については実際のところ私(結城)の思想が色濃く現れています。

このパーパスについてはインタビュー記事で語っていますのでここでは割愛しますが、これから日本における外国人比率が高くなるのか、はたまた門戸を閉ざし低くなっていくのか?
それはこれからの政策次第となりますがニュートラルに考えると外国人比率は高まっていくと私は考えています。

その時に「人種の坩堝」として混ざり合うのか「人種のサラダボウル」としてそれぞれがコミュニティーを作り生活をしていくようになるかは分かりませんが
先行して移民率が高まっている欧米諸国の事例を教訓としつつ、当社ができることは草の根レベルに過ぎませんがなにかの役に立てれば良いなと考えています。

4.バリューは簡単

バリューは社内向けの行動指針と捉えています。それを対外発表している程度のもの。
その時々においては足りない要素を記載いけば良いと考えます。

それゆえある程度頻繁に更新させていけば良いです。

「バリューは簡単」と出ましたが、バリューの作成が簡単なだけでバリューの実現はとても難しいです。
ビジネス経験が30年になろうとしておりいくつかの会社でお世話になりましたが、
それぞれに企業文化というものがあり得手不得手というものが存在します。

創業者、経営者の資質に由来するものが多いですが採用ポリシーがふわっとしている企業やステージにおいては
逆に、いる社員の資質の総量から滲み出てくるパターンもありそうです。

当社は機能面から採用をスタートしている(例:マルチリンガルであること)ことが多く、
それ以外については意識をして高めていかない要素が多々あります。

①信頼関係を築く(Build trust)
→企業様・ワーカーさんの間に立ちブリッジを架けるというのが当社の役割です。
どちらに強く肩入れをし過ぎることは多くの場合上手くはいきません。
そのバランスを取るために提案や指導をしていきますがそれが受け入れられるかどうかは信頼関係があるかどうかです。
信頼されていないと何も前に進まない、まずは信頼を得ることが大切です。
(約束を守る、説明責任を果たす、傾聴する、問題を放置しない等)

②積極的な行動(Be proactive)
→世代の問題にするのは短絡的過ぎるかも知れませんが社員が皆消極的です。
そのため積極的に取り組むことが正義との価値観を植え付けていきたいと考えています。

③多様性の尊重(Value diversity)
→これは取扱い注意要項です。
多様性については全社員参加のPMVV検討会議でも出てきたのですがビジネスにおいては買い手が存在するため
「多様性を100%認めて下さい」は通用し難い部分があります。
多様性を文化的多様性にまで広げるとやはり世界は広いです。

「1分の遅刻は文化的に遅刻ではない」
「挨拶の文化がない」
「距離感が(日本人からすると)異様に近い、近過ぎる!」

など。

逆に日本市場でビジネスをするにおいては日本文化に対して最適化をする方が売る側としては容易です。
しかしながら多様な文化的背景を持つ外国人材に対して力ずくにて強要をすることも上手くいきませんしそもそも不可能です。

そのため文章的には「多様性を尊重しつつ、合目的的に摺合せをおこなう」という感じになります。

④常識を変える(Challenge the status quo)

「常識を変える」というより「常識は変わることを理解し行動する」の方が適切なのかもしれません。

東京にいると外国人がコンビニスタッフをやっていることは当たり前で、外食チェーンでも下手したら外国人だけでお店を回しているなんて光景もよく見ます。

これは2025年の東京の当たり前ですが私が上京した1997年の東京においては当たり前ではありませんでした。

またいわゆるホワイトカラー系職種の人たちの90%以上は、生涯同僚は日本人だけ(データなし・感覚値)ですが、
20年後は当たり前のように同僚は◯◯人ということになるでしょう。

未来の当たり前を先取りするという程の大げさなものではないのですが、
おそらくそうなる未来に向かって何か良いと思われる影響を作り出していきたいと考えています。

DYDの場合はこのような感じでPMVVを作り上げていきました。

説明していませんでしたがベース部分は全社員でディスカッションをしました。

それを最終的に形にする際には日本語能力の点で私の方でまとめました。

キメの部分も多いのである程度議論をしつつも最後はエイヤーで決めるのでいいのではないでしょうか。

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