自動トイレ
DYDに転職して半月ほどしたら、一緒に暮らしているねこがトイレを使わなくなってしまった。
どうしたんだ、桃子。
保護猫シェルターから引き取ってきて1年半、今までトイレにも砂にもフードにも、何ひとつ文句を言わなかったのに。
帰宅すると決まって、トイレの隣に黄色の水たまりが出来ている。
何か気に入らないことがあるのかと、あれこれ試した。
砂を全交換したり、別メーカーの砂にしたり、トイレに付いていた屋根を外したり。
それでも水たまりはなくならない。
しばらく観察していると、どうやら「自分が使った後、2回目のトイレはしない」というパターンが見えてきた。
しかし、私はオフィスで働いている。
都度、掃除はしてあげられない。
困った。
うんうん考えて検索しまくり、決心した。
掃除機能付きの自動トイレなるものを導入しようと。
ねこ友達の結城さんに話した。
「今日帰ったら、自動トイレが届いてるんです」
「自動トイレっていうものがあるの?2万5千円くらい?」
「その倍です!」
「そっか〜。松田さんの5万円が生き金になるのか死に金になるのか、楽しみだなあ」
ニヤニヤする上司が腹立たしい。
自宅の前に、「あれ?私、洗濯機買ったっけ?」というサイズのダンボール箱が置き配されていた。
そのままでは部屋に入れないので、マンションの廊下で開梱、トイレを運び込んだ。
ねこは「これなあに??」と興味津々で匂いを嗅いでいる。
頼む、桃ちゃん。
お母さんの5万円が懸かっている。
このトイレを使ってくれ。
数日後、思い切って旧トイレを撤去したら、諦めが付いたのか、新トイレで用を足すようになった。
全力で脱力した。
それにしても、なんで急におへそを曲げてしまったのか。
ねこに訊いても知らん顔をしている。
もしかして、お母さんの職場が前より遠くなって、一緒にいる時間が減ったから?
寂しくて拗ねちゃったとか、そういうこと?
これはあくまでも私の願望だ。
初の自動トイレでふんばる桃ちゃん。
緊張の面持ち。
犬派のあなたも。
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