釈迦に説法
BD担当の日本人男性、安藤さんが入社した。
いわゆるZ世代が同僚になるのが初めての私は、どんな感じになるかな、すぐ辞めちゃわないかな、と不安だった。
結城さんとは歳が近いし、共通の趣味もあったりして、話すのが楽しい。
でも20代半ばの人となんて、何を話したら良いんだろう。
DYDで働き始めた安藤さんは、年齢差とパーソナリティーが相まって、謎が多く興味深い人だった。
話題の前にまず、使う言葉が違うのである。
安藤さんの写真が必要になったら、「シブハロのでも良いっすか?」
ぽかんとしていたら、さすが結城さん、「トラックひっくり返したりしてなければね!」
渋谷ハロウィンの略だと理解した頃には別の話になっていた。
安藤さんの顧客訪問後のスケジュールについて、「今日の午後、千葉でしょ?直帰で良いんじゃない?」と言ったら、
「あつ」
…暑い?熱い?
今日は寒いし、安藤さんが飲んでいるのはアイスコーヒーだし…
「先週の、渋谷からの直帰はあつかった」
これはどうやら、「胸アツ」の略だな?
直帰を喜んでいるんだな?と解った時には、安藤さんはベランダでたばこを吸っていた。
結城さんとふたりで商談に行き、振り返りミーティング中。
安藤「あの、商談中に結城さんが『釈迦に説法ですが』って。言葉は知ってるんですけど、どういう意味で言ったんですか?」
結城「お店を経営してる人に、従業員の保険料の話を改めてするなんて、失礼じゃん?だからだよ」
松田「クッション言葉だね」
安「初めて、生で言ってるの聞いた…『釈迦に説法 ビジネス』で検索しました、あはははは」
松「『釈迦に説法』はビジネス用語じゃないよ、普段から使うよ。
例えば、『お母さん、釈迦に説法だけど、この味付けはちょっと』とか」
結「自分より長く料理をしている人にそのまま言うのは失礼だから、枕言葉を挟むんだよ」
Z「結城語かと思いました、あはははは」
Z世代に何が刺さったのかさっぱり分からないが、面白そうに笑っていた。
結城さんも私も慣用句やことわざの類いが大好きだから、これからも楽しみにしてるが良いわ。
<必須条件>日本語力はネイティブもしくはビジネスレベル
https://dydworks.co.jp/recruit/